太田記念美術館展覧会『葛飾応為「吉原格子先之図」-肉筆画の魅力』について

葛飾北斎・応為

現在、太田記念美術館にて葛飾応為「吉原格子先之図」が展示されています。

葛飾応為の作品のなかでも代表作として紹介されることが多いですが、自分は実物を見たことがなく。今年の明けに展覧会スケジュールを見てからというもの、ずっと待っていました。
早速初日に突撃してきましたが、やはり実物を見るのは違いますね。できればもう1回行きたい。

実物を見て「少しでも目に留まって展覧会に興味を持って欲しい」思いが芽生えたので、自分の勉強不足もあってあまり書けることはないのですがつらつらと。
主に(というかほとんど)にゃんこ大戦争経由で本ページを訪れる方が若干でもいれば。

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展覧会について

詳細はこちら

2023年11月1日(水)~11月26日(日)の開催です。月曜日は休館なので注意。

葛飾応為「吉原格子先之図」がメインとして謳われており、展示は3年半ぶりとのこと。調べると前回は2020年1月だった模様。さらにその前は2017年10月2015年4~5月と遡っており、2年半~3年半くらいの周期であるようです。

自分が葛飾応為のことを知ったのはFGOを始めた頃ですから2019年5月頃、さらに書籍等で勉強し始めたのは2020年の6~7月頃。自分にとっては今回が念願の機会というわけです。

さらに展示の扱いとしても主役度が上がっていっているのが窺えますね。自分もそうですが、近年になって注目されていることが分かります。

ちなみに前回は葛飾北斎「雨中の虎」も同時に展示されていたようです。こちらも肉筆画で北斎最晩年の有名な作品ですが、こちらは今回展示なし。昨年すでに展示されていましたからね…残念。

作品を見て

各種書籍やポスター(後述)などで日頃から見てはいるのですが、実物を見るとやはり違うなと思います。

主に2点あって、1つ目は色合い。右上に青い暖簾が描かれているのですが実物の方が鮮やかだなと。
全体で見ても実物の方が色が明るめな印象でした。

もう1つは掛軸としての全体像。今まで見ていたのはメインの絵だけで、周りの掛軸部分を見たことはなかったので。そこを見られるのも楽しみではありました。

しかし実際見てみるとちょっと戸惑いも。

表装は全体的に模様の控えめな感じなのですが、風帯と一文字(掛軸各部位の名称についてはこちら)の布地に墨で植物の模様が描かれているんですよね。掛軸全体として作品を見たときにどうしても不自然で気になってしまうのですが、一体あれは何なのか、どういう過程でああなったのか…

この植物模様に言及している解説を見たことがまだないので、謎です。

オススメ商品

突然うさんくさいですが笑

太田記念美術館で販売している「吉原格子先之図」グッズについてです。

複製ポスター(500円)

記事サムネイルの右半分、原寸大(微妙にちょっと違う気もする?)のポスター。以前初めて来館した折に買いました。

500円と安価です。安いなりで紙はそう良いものというわけではなく、額縁もありませんが。

作品単体だとサイズが中途半端なのですが、余白があるので全体でA3サイズになっています。おかげでフレームは調達しやすく、自分は100均で買ってきて飾っています。

鑑賞ガイドブック(1000円)

記事サムネイルの左半分。
2015年の展示会のときに出版されたようで、今回のために増刷したわけではなさそうです。自分は今回気づいて購入しましたが、展示期間外でも販売してそう。

同館所属の日野原先生が執筆したもので刊行時期は久保田先生の研究書(『北斎娘 応為栄女集』)とほぼ同じ。久保田先生の同研究書以前の論考が多く参考にされていますが、他にもまだ知らなかった参考情報がありました。

またこのガイドブックの良い点として、原寸大の図版を収録していることが挙げられます。

単に原寸大の図版というだけならポスターと同じなのですが、掛軸の表層部分(柱と一文字の一部)も一緒に複製されているのが特長。

実物の展示は少し距離があるので自信がなかったのですが、間近に見つめてみて、前述した一文字の不自然な植物模様はやっぱり上から墨で描いてるよなと認識できました。

「吉原格子先之図」について妄想

したいことはあります。

この作品がいつ描かれたものなのかという話が気になってしょうがないのですが、正直とても書ける状態ではありません。

お栄さんの年齢のように自分がFGOの葛飾北斎父娘について妄想したい本筋に位置するのですが、参考のために読みたい論考や小説がまだまだ多すぎます。なのに自分の読み進める速度がとにかく遅い。さらにガイドブックを読んで新しい視点が増えましたし。

今回は「少しでも誰かの目に留まって展覧会に興味を持って欲しい」という思いで記事を書こうとしているので日数をかけるわけにはいかず。妄想は展開しないまま放り出します。

今後の葛飾応為作品の展示

ついでなので書いておきますが、今冬はこれで終わりではありません。

メナード美術館で「夜桜美人図」の展示があります。2024年2月20日~3月31日です。

前回の展示を見に行きましたが前々回がいつだったのか当時確認できなかった気がするので、僅か2年という短いスパンで再度展示いただけるのは大変ありがたい。しかも前回より展示期間が長いですし。

事あるごとに主張しますが自分は応為作品と言われるもののうち一番好きなのが「夜桜美人図」で、こっちが代表作だと騒ぎたいくらい。(無落款だからだめなのかな…)

メナード美術館は愛知県小牧市ということでなかなか遠方なのですが、もう一度行くか悩み中です。

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